Chilla's Art(チラズアート)さん製ゲーム"誘拐事件"の謎のいくつかを考察します。
エンディングを全て見ていることを前提で進めていきますので、重大なネタバレにご注意下さい。
誘拐事件考察まとめ
誘拐犯の正体
オープニングで監禁されていたことが匂わされる「さらお」。このさらおがどういう人物なのか、何をやったのかというのを中心に掘り下げていきます。
さらおの人物像
言うまでもなくかくれんぼの時に混ぜてもらおうとしたのはさらおです。
最後はれんや母の金切り声で自らの虐待のトラウマを思い出し、追い詰められた感情が爆発した結果再び人を殺めてしまいます。
さらお母の最期と時期
オープニングのさらおと母親の一件は、なんとなく小さい子供を恫喝する母親、というイメージを先入観で持ってしまいますが、これを考えてみます。
母親の日記には「さらおもずいぶん大きくなった」「どんどん顔が似ていく」と成長期の子供であるかのような描写がなされていますが、これが書かれた時期は最近とは限らないのでミスリードの一種と見てもいいでしょうか。
屋根裏にある死体から滴っている血を見るに、どう考えてもさらおが母親を殺害したのは最近。浴槽が血塗れということから、解体場所はここではないでしょうか。
小さな子供だったら母親を絶命させ、半端であるにせよ解体までするのは無理がありそうというのと、子供の頃に殺していたとしたら今までどうやって生活してきたんだというのもこの説を強化する材料になる気がします。
ただしこの説には少し穴もありますのでそれは下記で。
さらお家の惨状について
れんやと姉が誘拐されてきたさらおの家は、どこも母親を殺害した痕跡で血塗れ。
※エンディングで姉は「さきこ」という名前だというのが分かりますが、ここでは「姉」で統一していきます。
こんな怖い家に女児が落ち着いて生活しているというのは、いくら「他のこと」で頭がいっぱいだろうがどう考えても変です。屋根裏のところでもいるはずのないさらお母の姿が見え、追いかけるとアレがある訳ですが、もしかしてよくある「自分の死体を見つけてほしい」というれんやにしか見えない霊的な痕跡(血痕も)なのかもしれません。
ただそうなると、血痕を根拠としていた前項の母親を殺害した時期が曖昧になってしまいます。
「殺したのは最近だけど、痕跡はれんやにしか見えない」というのが1番矛盾のない落としどころになるでしょうか。
さらおの話はひとまずここで一区切りとします。
姉の計画
次は面倒見が良く、成績優秀なれんやの姉の話に移ります。
この姉、ちょっと曲者。
視点がれんやに変わってすぐ、姉は洗濯の仕方を教えてくれます。(この時母親は蒸発)ただ、「これから洗濯はれんやが担当ね」をよく考えてみると、姉は母親が出ていくことを事前に察知、2人で生きていくという想定をしていたように思えます。
しかし姉は母親が好きというより少し執着もしくは依存している感じでしょうか。
しかし姉は母親が好きというより少し執着もしくは依存している感じでしょうか。
後々姉自身により母親の気を引くための狂言誘拐であることが明かされますが、この時すでにさらおにコンタクトを取っていたと考えられます。
「材料を準備するのが大変」「畑なんかないのに」野菜を用意してカレーを作れたことも、さらおの手引きの可能性が高いと思われます。
警察エンドでもカレーを作っているので、さらお家がどこかに畑を持っているのかもしれません。
警察エンドでもカレーを作っているので、さらお家がどこかに畑を持っているのかもしれません。
そして違和感がもう1つ。
これだけしっかり者の姉が、子供だけで2ヶ月弱生活していたとはいえあれほどゴミ屋敷になるのかという問題がありますが、これも母親が見かねて戻ってきてくれるかも、という期待を込めての行動だったのではないでしょうか。
※姉がいなくなったのは9/5、れんや誘拐が9/8なので、さらお家がゴミ屋敷なのは元々
まとめると、「出て行った母親の気を引くために生活できないアピールで家をメチャメチャにしていたけど効果が無さそうだったので、自分から不審者にコンタクトを取って弟を巻き込んだ狂言誘拐を企てた」というのが姉の計画になります。
大雑把で穴だらけの計画なのは子供らしさの表れ?
もしかすると、さらおは母親に反撃しただけで他の人間には無害だったのに姉に巻き込まれたという形なのかも。
ピエロの謎
ここまでで事件の概要はほぼ掴めました。
しかし、最後にまだれんやの見たピエロの謎が残っています。
ホームルームでのきよみちの発言を皮切りに、クラス中に広まっていると分かるピエロの噂。「1人の時を狙ってくるけど何もしてこないらしい」とのことですが…?
帰り道、家の中に現れ風船割りをさせられますが、これは結局夢オチでした。姉を捕らえている描写がありますが、実際は姉から捕まりに行っているため「実は夢オチと見せかけて現実でした」ということもありません。
以上の事から、このピエロは「家族(ほぼ姉)がいなくなって自分だけで生活しなければいけなくなった」という心理的プレッシャーが噂と混ざりれんやに見せた幻だったと考えることができます。
ついでに、トゥルーエンドのれんやの笑みについても最後に触れておきます。
これは「敵を排除できた」+「姉を独占できる」という笑み。某漫画の「計画通り」を思い出しますが、保護施設からさらお家に向かうまでの一連の流れでれんやは一言も発していないため、狙ってさらおが母を殺すように仕向けたという可能性はほぼ0です。
あの母親が連絡先を教えていたとは思えませんので、こうなることを見越して母親に連絡を取ったというのもないでしょう。
むしろ経緯が伝わっているはずなのにあっさり姉弟を引き渡した保護施設の対応の方が謎です。
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